楡の木クリニックブログ:

回復と安定の道しるべ

November 14, 2017

ひとつ笑えば若返り、ひとつ怒れば老けてゆく

- 斎藤茂太 作家 精神科医 -

 うつ、うつ病は古代ギリシャの時代から知られている古い病気です。双極性障害(躁うつ病)も最古の記載は古代ローマ時代に遡ります。しかし、双極性障害を含むうつ状態は現代病の様相があり、その増加、多様化が問題となっています。日本では平成10年前後から患者数の増加が問題視されており、WHOの統計でも全世界の先進国においてあらゆる病気の中で6番目に人々の負担になっているとされています。(DALY,2015年*.ちなみに上位は虚血性心疾患、肺がん、脳卒中、頸部背部痛、認知...

October 16, 2017

いずれにせよ、人間は「矛盾の束」である。完璧な人間などいないのだから、いい加減に生きるのがうつ病にならないコツだと、私は思う。

 - 北杜夫 作家 精神科医 -

 「パパは楽しい躁うつ病」では北杜夫さんの躁状態における様々な奇行がまさに楽しく紹介されています。晩年うつが続くと娘の斎藤由香さんはもう躁病にはならないのかと寂しく感じていたそうです。変わった娘さんです(笑)

 一般的な双極性障害の病像からすると北杜夫さんの双極性障害も実はかなり変わっている面があったようです。うつ病の時に自殺念慮、つまり死んでしまいたい気持ちが全く出なかったとう...

August 4, 2017

その頃は「虫の冬眠」と称して時期が来れば治ると信じていた。ひたすら、じいーっとしていると自然に治っちゃう。

- 北杜夫 作家 精神科医 -

 大先輩の精神科医であり芥川賞作家でもある北杜夫さんは日本で最も名の知れた「躁うつ病」の患者さんでもあります。私は子供の頃、愉快な「ドクトルまんぼうシリーズ」の大ファンでしたが後に読んだ「夜と霧の隅で」は同じ作家が書いたとは思えない沈鬱さが今でも印象に残っています。

 冒頭の言葉は愛娘、斉藤由香さんとの共著「パパは楽しい躁うつ病」の中でご自身のうつ病期を振り返っての一言です。

 北さんは当時まだ一般的で...

June 12, 2017

いまや時は二月初めで、まだふらついてはいたが私は光の中に抜け出したことを知った。自分がもはや抜け殻ではなく肉体であり、肉体の甘美な活力が再び動き出すのを感じた。

- ウィリアム・スタイロン (作家)-

 うつ病の経過は多彩で自然に比較的短期に改善するものからなかなか治らない頑固なものまで十人十色の様相を呈します。

 ですから個人に「最適な治療」を選んでいくのもそう簡単なものではありません。

 今回はうつ病の治療について大雑把につかまえてみようという回です。
 

 精神の病に対する治療法は大きく「身体的治療」「非身体的治療」に分けることができ...

June 3, 2017

人が苦悩の中に黙している時、私の悩みのほどを言う力を、神様は私に与えてくださった。

- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (詩人 小説家 科学者) -

 うつ病で障害される「気分」が言葉で表すことがなかなかできないものなのでとらえにくく、周囲に理解してもらうことが難しいということを先日のブログで書きました。なかなかわかりにくいうつ病ですが、これを表すために使われる言葉がいくつかあり、その一つに「うつは心の風邪」というものがあります。この言葉は「だれでもかかる病気である」「治る病気なので病院に行こう」という意味で使われ、うつ病の理解...

May 31, 2017

気分とは情動に揺り動かされていない時に我々が抱いている身体風景のイメージである

 -アントニオ・R・ダマシオ (神経科学者)-

 精神科、心療内科を受診する方がお困りのことで最も多いのが「うつ」の問題です。

「うつ」を引き起こす代表的な病気が「うつ病」で、近年、わが国でも増加が著しいことが知られています。世界保健機構による全世界における病気による荷重(死亡と障害の合計)の統計*の中で2015年には10位にランクづけされています。2000年に13位であったことを考えるとこの病気の重みが世界で増していることがわかります。

 こんなに多い「うつ」...

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​院長のこれまでの講演や発表してきた著作を基に最近のトピックスも含めてこころの病の今を書き記しています。

医療従事者向けの内容も含みますが、患者さんの回復と安定のために役立つ内容になるよう頑張っています。

ご一読ください。

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